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August 21, 2002
ラジカルザサエさん2
一般に友情の名をもって呼ばれるものは、習慣、あるいは同盟である。
(ボナール)
やあ、僕ねこ山。
ス○ッフサービスの派遣で東京のイゾノ家にお世話になってもうす
ぐ一月になろうとしているが、まだタマはとなりのミケちゃんと失
踪中だ。ス○ッフサービスからも契約の更新を打診されたのだが、
僕は「ねこ山日記」の執筆活動を理由に契約を打ち切ってもらった。
こんなところで無益な時間を過ごしている余裕は僕にはないのだ。
当然、この一月の間には前回の事件に加え、さらなる事件が勃発し
たのであるが、その全ては書ききれないので主な事件をここに紹介
する。その事件も例によってダラちゃんのわがままが原因だったがそ
こに別の要因も加わってガツオの被害は甚大なものとなった。
その日は日曜日で、午後に親類のナビノ家が一家でイゾノ家に遊びに
来ていた。ナビノ家にはイグラちゃんという幼児がいてダラちゃんと
つるんでよくガツオをいじめている。「今日もガツオ兄ちゃんを困らせ
るでしゅー!」「ハァーイ!」こうして二人は試験勉強で追い込みにか
かっているガツオの部屋に行ってまわりで騒ぎ始めた。
「ブッブー、ブッブー、ドカーン!」「バブー!」「大変でしゅ!事故が
起きたでしゅ!救急車を呼ぶでしゅ!」「ハァーイ!」「ピーポー、ピー
ポー、ドカーン!」「ハァーイ!」「ああ!ミイラ取りがミイラになっち
ゃったでしゅ!」ダラちゃんとイグラちゃんはミニカーを部屋中に撒き
散らして騒ぎまくっていた。「ダラちゃーん、ぼく勉強してるから別の
部屋で遊んでくれないかなー?」ガツオはおそるおそるダラちゃんに言
ってみた。「ウエーン!ガツオ兄ちゃんが僕をいじめるでしゅー!」「バ
ブー!」と言ってダラちゃんとイグラちゃんは居間でとりとめのない話
をしている大人たちのところへ駆け込んだ。
「ガツオ!ダラちゃんをいじめたらダメでしょ!」とザサエが言う。「そ
んなぁー、ぼくはただ勉強の邪魔になるから他の部屋で遊んでくれって言
っただけだよー!」「お前は普段から勉強をしとらんから今ごろになって
あわてなきゃいかんのだ!」とナビヘイ。「試験前にどうして勉強したら
いけないんだよー!」とガツオは既に半泣きである。「黙れ!いいからさ
っさと公園にダラちゃんとイグラちゃんを連れて行って遊んでこい!」と
ナビヘイの踵落としがガツオの脳天に命中し、ガツオは白目を向いてひっ
くり返った。「さあダラちゃん、これでガツオに何でも好きなものを買って
もらいなさい。」と言ってナビヘイはダラちゃんに万札を渡した。「うれし
いでしゅー!」「ハァーイ!」と2人はナビヘイに抱きついた。「ハハハ、
これこれ。」とナビヘイは目尻を下げ、ダラちゃんとイグラちゃんはナビヘ
イからむしり取った万札を握り締めてガツオを引きずって外へ出かけた。
「ガツオ兄ちゃんにも分け前をあげるでしゅ!」と言ってダラちゃんは五
百円玉をガツオの足元に叩きつけた。「拾わないとあげないでしゅよ!」「
バブーッ!」「そんなぁー!」「パァーっと使ってしまうでしゅ!」「ハァー
イ!」ダラちゃんとイグラちゃんはガツオが五百円玉を拾っている間に高笑
いを残して走り去った。
そして1時間後、ほとぼりが覚めるのを待ってガツオが家に帰ると既にダ
ラちゃんとイグラちゃんは帰ってきていた。ダラちゃんとイグラちゃんは
パチンコに行って15分で1万円をすってしまったのである。そして2人
は居間でナビヘイに泣きついていた。「ウエーン!ウエーン!ガツオ兄ち
ゃんにお金を取られたでしゅー!」「ハァーイ!」ガツオはこの並々なら
ぬ雰囲気を察してまた外へ逃げ出そうとしたが、玄関で待ち伏せしていた
ワガメとザサエに捕まってしまった。「あんた!どうしてダラちゃんがもら
った小遣いを取り上げるのよ!」とザサエ。「知らないよー!ぼくダラちゃ
んに500円しかもらってないよー!」「やっぱり取ったのね!」「そんなぁ
―!」とガツオはザサエに耳をちぎれるくらい引っ張られ、ナビヘイの前
に突き出された。「あんたは今後一週間はご飯抜きよ!」とザサエ。「そう
よ!そうよ!」とワガメ。「ガツオくぅーん、ダメじゃないかー。」とノリ
ズケ。「どうしてお前はダラちゃんをいじめるんだい。」とブネ。「お前と
いうやつはもう許せん!」とナビヘイが華麗なフットワークでガツオのボ
ディに右フックを命中させた。「うぐっ!」と前のめりになるガツオのあご
を目掛けて今度はナビヘイの左キックが入った。グシャッ!と鈍い音がし
てガツオは血を吐きながら前のめりに倒れた。
そして1時間後寒空の下で目を覚ましたガツオは自分がごみ捨て場にいる
ことを理解した。「ちくしょう!絶対にグレてやる!」とよろよろと立ち
あがったガツオはふらふらしながら家とは反対の方向に歩き始めた。
その頃イゾノ家ではナビノ家を加えてみんなが鍋を囲んでいた。「まった
くけしからんやつだ!」とナビヘイ。「まあまあ、おじさん、ガツオ君も
魔が差したんですよ。」といってノリズケがナビヘイにビールをついだ。
「ダラちゃんもイグラもガツオ君を許すよな?」とノリズケが聞いた。「
もちろんでしゅー!だってガツオ兄ちゃんは大事な家族でしゅー!」「ハ
ァーイ!」と言ってナビヘイに抱きつくと、ナビヘイは「そうかそうか、
2人とも優しいなー。おりこうだからおじいちゃんが小遣いをやろうな。」
といってダラちゃんとイグラちゃんにそれぞれ一万円づつ渡すと「まあ、
よかったわね、イグラ。」とダイコが言った。「ハァーイ!」とイグラちゃ
んが返事をすると皆あははははははと笑ってこの日のダラちゃんイグラち
ゃんパチンコ事件も真相が究明されぬままジ・エンドとなった。
僕はこのようなイゾノ家の光景を眺めながら早く福岡に帰りたいなあと思
い、代わり映えのしないカリカリとねこ缶を食べ、トイレでう○こをする
と子供たちの被害が及ばないように皆から離れた部屋で眠りについた。
つづく
投稿者 nekoyama : August 21, 2002 05:52 PM