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September 21, 2002

遺伝子操作

自然はすべての動物を人間のために造った。(アリストテレス)

やあ、僕ねこ山。

先日、人間界ではクローン技術による妊娠に成功したというニュース
が報道され、遺伝子技術が花盛りの感がある。ここだけの話しだが動
物界でもこの遺伝子技術を用いた動物の福祉への取り組みがなされて
いる。これは我々国際ねこねこ財団が音頭をとり来月に福岡市で開催
される世界動物福祉学会において発表される。

有史以来、我々動物は人間のコンパニオンとしてある時は矢面に立っ
て、またあるときは影で人間を支えてきたのであるが昨今の近代文明
の発展に伴いそのリバウンドとして動物の福祉がおろそかにされると
いう様相を帯びている。このことに対する反省から上記学会が開催さ
れるに至ったのである。

さて、上記の遺伝子技術を使った動物の福祉への試みであるがある論
文は世界中のイカ達の中の有識者によって構成される社団法人世界イ
カイカ協会に所属するあるイカ博士によって提出され、その内容は人
間界はおろか動物界でもかなりの反響をよんでいる。

その論文のタイトルは「遺伝子技術を使った味の低下による人間の食
生活の改善」というものだ。我々動物とは違って霊長類たる人間は基
本的に雑食である。その食生活ゆえに人間は我々動物はおろか人間自
身をも危機に落としいれているという博士の鋭い洞察によってこの論
文は曹ゥれたのだ。

博士いわく、人間は雑食であるがゆえにおいしいと思うものはたとえ
それが人間の身体に悪いと思うものであっても食べてしまう。そのた
めに健康を害したり、はたまた病気になってしまったりという諸問題
を抱えることになった。ということは人間の体に悪い影響を与えると
思われるものを人間から遠ざけるシステム、具体的に言えば今まで人
間がおいしいと思って食べていた身体によくないものを遺伝子操作で
人間にとってまずいものに変えてしまおうというものだ。

例えば塩辛に代表されるイカやタコなどは過剰に取りすぎると健康を
害するという効果がありながら「おいしい」という理由だけで人間に
食べられている。もしこれらのものが「まずい」ということになれば
誰も食べるものはいなくなるだろうというのが博士の理論である。

逆に人間の健康にいいもの、例えば緑黄色野菜などはあまり「おいし
くない」という一般的な理由で人間、特に子供には敬遠されていると
いう事実がある。とすればこの野菜の味や食感をイカやタコのそれに
近づけるべくこれまた遺伝子操作をもって作り変えたら人間も好んで
これらの野菜を食するようになり動物はおろか人間の福祉にも貢献す
るのではないかという問題まで博士は投げかけている。

そしてこの論文は人間の食用に供する動物のほとんど全ての者から賛
同を得ているのだが、逆にカボチャ界やニンジン界からは植物の福祉
に反するとして反対の声も出ており、結論は出ていない。この問題は
動植物界を含むあらゆる当事者を巻き込んだ議論がなされてからでな
いと結論は容易には出なさそうだ。

ただ、一個人(猫)として僕の意見を言わせてもらうと、やはり僕
の大好物であるちくわが遺伝子改良によってセロリ味になったりか
まぼこがニンジン味になったりということはちょっと勘弁してほし
い。おいしいものは自然のままでおいしく食べたいというのが僕の
感想である。

投稿者 nekoyama : September 21, 2002 05:57 PM