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September 07, 2003

近未来小説「ドラエモソ」

やあ、僕ねこ山。
イゾノ家のタマの紹介で今度は東京にあるノピ家に派遣されるこ
とになった。ここでもイゾノ家に劣らず凄まじい人間模様が繰り
返されているのでそれを中心に報告することにする。
なお、イゾノ家のその後も追って報告するつもりである。

今日もノピ家のノピ太は学校でジャイアソとズネオにいじめられ
て泣きながら家に帰ってきた。
「うえーん!ジャイアソとズネオが僕のことをいじめるよー!」
ノピ太は一目散に2階にある自分の部屋に走って生き、部家に引
きこもって泣きじゃくっていた。そのときである。ノピ太の勉強
机の引出しからずんぐりとした2頭身の物体が顔を出した。
「やあ、ぼくドラエモソ。2200年の未来からノピ太君を救うため
にやってきたんだ。」
「えっ?ドラエモン?マンガでは読んだことはあるけど本当にい
たなんて。ようし、これで僕も奴らに一泡ふかせてやれるぞ!」と
意気込むノピ太。
「ああ、僕がそのドラエモソさ。まあまあまあ、とりあえず一服さ
せてもらおうかな。」と言ってドラエモソは懐からタバコを取り出し、
火を着けた。
「ふうー、やっぱりドラ焼の後の一服はこたえられないね。」とドラ
エモソは鼻からタバコの煙を吐き出しながら言った。「灰皿は?」と
ドラエモソ。
「あっ、そ、そうだったね。気がつかなかったよ。すぐに持ってくる
からね。」と言ってノピ太は1階に下りて行った。「なんかイメージと
ちょっと違うなあ。まあ、でもいいか。これでこの世は僕の思いのま
まだぞ。」とノピ太はひとりほくそえんだ。
「これでいいかい?」とノピ太はパパの灰皿をドラエモソの前に置い
た。
「うん、まあ、これでいいよ。ところでお茶は?」とドラエモソ。
「えっ、お茶?」とノピ太は驚いて聞き返した。
「あたりまえじゃないか。僕は君を救うためにはるばる2200年の未
来からやってきたんだよ。お茶を出すっていうのは奉って納めると書
いて奉納の精神じゃないか。日本人として最低のマナーだろ?」とド
ラエモソは、んふーと鼻からタバコの煙を吐き出しながらノピ太を
見下すような目つきで眺めた。
「そ、そうだよね。ごめんよ、ドラエモン。すぐに沸かしてくるよ。」
と言ってノピ太はまた1階に駆け下りて言った。「なんかマンガと違
ってとっつきにくいなあ。まあでもすぐに僕の言いなりになって色ん
な道具で僕の野望をかなえてくれるはずさ。」
「これでいいかい?」とお茶をドラエモソの前に出すノピ太。
「ああ、まあこんなもんだね。」とドラエモソはお茶をずずっと飲んだ。
「さあ、お茶も飲んだし一眠りするかな。」と言ってドラエモソは畳の
上にゴロリと横になった。
「あ、あのさ、ドラエモン。ジャイアソとズネオをやっつけに行かない
のかい?マンガみたいに?」とおそるおそるノピ太がドラエモソに尋ね
る。
「ん?うん、後からにしてくれよ。昨晩飲み過ぎてきついんだよ。ちょっ
と寝るから。あ、それと晩御飯は7時ぐらいでよろしく。」と言ってドラ
エモソはすぐにフゴー、フゴーと寝息を立て始めた。

2200年の未来からノピ家にやってきたねこ型ロボット・ドラエモソ。彼
の活動初日はこのようにして暮れていった。

つづく。

投稿者 nekoyama : September 7, 2003 09:19 PM